大学の学部と大学院修士課程の5年一貫教育に注目が集まっています。これまでは成績優秀者のみに認められていた特例でしたが、文部科学省が2026年度にも制度化する方針を示しています。学生の選択肢を増やし、社会課題の解決などを担う高度人材を育てる狙いがあります。
5年一貫教育は、大学の学部と大学院修士課程の教育を連携させたプログラムです。通常、修士まで修了するには学部4年、修士2年の計6年かかりますが、成績優秀など一定の条件を満たした学生は在学期間を短縮でき、5年で学士・修士の両学位を取得できる特例があります。現在は一橋大や慶應大、国際基督教大など一部の大学が導入しています。
希望する大学が導入しやすい仕組みをつくり、学生に大学院進学を促す狙いがあります。学生にとっては、学部段階から大学院の授業を受講することができ、より専門的な知見やスキルを早期に学べるメリットがあります。また、通常より1年早く修士の学位を取得できるため、授業料など経済的な負担が軽くなる利点もあります。人文・社会科学などの文系では、大学院進学者が3~4%と少なく、文系の修士、博士人材が少ないのは大きな課題となっています。

(2025年10月28日 読売新聞)
(吉村 やすのり)





