おたふく風邪

 おたふく風邪は、ムンプスウイルスが咳やくしゃみ、接触でうつります。唾液を作る耳下腺の腫れや発熱が特徴で、流行性耳下腺炎ともいいます。合併症は難聴のほか、無菌性髄膜炎や膵炎などがあります。おたふく風邪は定期的に流行を繰り返し、現在は2015年秋ごろから、高い水準で患者が発生しています。
 合併症の中では、無菌性髄膜炎が比較的多く、患者のうち110%に発症します。発熱、頭痛、嘔吐の症状が出ます。脱水症状が出るため、入院が必要になることもあります。難聴の発症率は0.10.25%です。患者は年間8402,100人に上ると推計されています。難聴の治療法はありません。
 おたふく風邪ワクチンを巡っては、1989年から風疹、はしかと合わせた三種混合ワクチンが定期接種になりました。しかし、副反応の無菌性髄膜炎が問題になり、1993年に定期接種が中止になりました。現在は任意接種ですが、日本小児科学会は、生後1215カ月と56歳の2回接種を推奨しています。副反応が100%ないワクチンはありませんが、ワクチンを打たない場合のリスクの方が高くなっています。

(2017年4月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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