かかりつけ医の機能

厚生労働省は、地域で患者の日常的な診療や健康管理をするかかりつけ医の機能について、定義を法律に明文化します。患者が希望すれば医療機関と書面を交わし、かかりつけの関係を確認できるようにしますが、対象は医師が継続的な医学管理が必要と判断した治療中の患者に限り、元気な人が自分のかかりつけ医を選ぶことは想定していません。
地域の複数の医療機関がグループで対応することを前提に、かかりつけ医の具体的な機能として、よくある疾病への対応、休日・夜間の対応、入退院時の支援、在宅医療の提供、他の医療機関や介護施設との連携を想定しています。
かかりつけ医を巡っては、財務省や健康保険組合連合会が認定制を提案していました。患者それぞれが受診する医療機関をあらかじめ決める登録制も求めていました。しかし、日本医師会は、かかりつけ医はあくまで国民が選ぶのが基本として、国民への登録義務づけなどに反対してきました。今回の案では、認定制や登録制の記載はなく、当面は導入が見送られます。かかりつけ医がいるかどうかは、医療機関と患者の自主性に委ねる形となり、医療機関の役割分担や住民の利用がどこまで進むかは不透明になってしまいました。

(2022年11月29日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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