がんの骨転移

国民の2人に1人ががんになり、3人に1人はがんで亡くなる時代です。がんと闘いながら仕事を続けたり日常生活を送る上で、立つ、歩くといった運動機能を維持することが重要となってきます。肺がんや前立腺がん、乳がんなどの患者は、がんが進行すると骨転移を起こすことがあります。転移する部位は、脊椎や大腿骨など股関節周辺、上腕骨など肩関節の周囲が多くなっています。それが原因で下肢が麻痺するなど運動機能が損なわれることがあります。
がん患者に手術や放射線治療、抗がん剤などの治療をどこまで受けさせるかは、患者の身体の状態に応じて判断されます。歩行ができなかったり、寝たきりの状態では、本来の治療が見送られることも多くなります。がんの骨転移や、がん治療によって起きる運動器の障害により移動機能が低下した状態をがんロコモと呼びます。がんの治療をどこまで適用できるかは、患者が動けるレベルで決まってきます。

(2018年9月19日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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