がん対策基本法

 国は基本法に基づき策定したがん対策推進基本計画で、75歳未満のがん患者の死亡率がについて、2015年までの10年間で20%減を掲げました。しかし減少幅は15.6%と目標に届きませんでした。予防と早期発見の遅れが原因です。
 肺がんの死亡率は2005年までの10年間では9.3%減少していましたが、2015年までは7.3%減少です。喫煙率の低下ペースが落ち受動喫煙対策も遅れ、WHOは日本の対策を世界でも最低レベルとしています。子宮頸がんは死亡率が悪化しました。2005年までの10年で3.4%増え、2015年までは9.6%増となっています。検診受診率の低迷が理由であり、子宮頸がん検診の受診率は32.7%にすぎません。大腸がんなどでも伸び悩んでいます。
 基本法は緩和ケアの普及も目指していますが、がん患者の34割は依然、身体的、精神的な苦痛が十分に緩和されていません。ただ人材育成には時間がかかり、多くの病院が治療や緩和ケアに精通したスタッフ確保に苦労しています。

(2017年3月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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