がん拠点病院間での5年生存率の格差

国立がん研究センターの肺、胃、大腸、乳房、肝臓の5大がんの生存率を分析した日経実力病院調査によれば、早期がんでも治療の中核となる拠点病院などの間には、大きな治療成績の格差があることが分かりました。患者の平均年齢が同じでも10ポイント以上の開きがあります。
全国どこでも質の高いがん医療を提供することを目指し、厚生労働省は、2001年度から条件を満たした病院を拠点病院として指定しています。現在は400病院を超えましたが、必ずしも質の高い医療を提供できていないと考えられます。医療の質の向上には、病院別のデータ分析が不可欠です。
英国では国民医療制度の下で国内の治療成績を収集しています。がん分野では、医療者や行政向けのデータベースで病院別のがん患者の1年生存率などを共有しています。手術数と死亡率は散布図を使い、統計的に死亡率が著しく高い病院を一目で分かるようにしています。

(2022年1月25日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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