がん早期発見による医療費削減

 がんを1期で見つけられれば、治療効果は各段に上がり、医療費も大幅に削減できます。国立がん研究センターの全国の拠点病院のがん治療成績によれば、2008年に1期で診断された患者の5年後の生存率は、胃、大腸、乳房などで95100%になっています。4期の生存率が1桁台の膵臓、肝臓、肺、胃でも、1期なら4195%に改善します。
 早期のがんの病巣は小さく、手術や放射線治療で完全に取り除くことができます。12期では抗がん剤は基本的に不要です。1期の大腸がんの一部では内視鏡で病巣を切除でき、大きくお腹を切り開かなくて済みます。また治療費も安く抑えられます。例えば1期の大腸がんでは、内視鏡での病巣摘出などでかかる治療費は約8万円です。進行して発見され、数年後に再発・死亡したある患者では、手術や抗がん剤治療で約1,100万円もかかります。

 

(2017年8月12日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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