たばこの害

 たばこの煙には、がんを引き起こす物質が多く含まれています。そうした物質が肺に入ると、肺や喉頭、食道などでのがんの発生率を引き上げます。国立がん研究センターによると、肺がんになる確率は、たばこを吸う男性では、吸わない男性の4.5倍です。有害な物資は、たばこから立ち上る煙である副流煙にも多く含まれるので、周囲の人の健康も損ねます。たばこの煙は、血管にもダメージを与えます。たばこの煙に含まれる一酸化炭素(CO)、ニコチン、活性酸素が、血管にもダメージを与えます。
 煙に含まれるCOは、血管の中で酸素を運ぶ赤血球のヘモグロビンとくっつき、その働きを鈍らせ体中に酸素が行き渡るのを妨げます。すると、酸素を多く必要とする激しい運動や長時間の運動がしにくくなります。体内の酸素が不足しがちになると、赤血球が増えてしまいます。血液の粘稠度が増し、細かい血管が詰まりやすくなり、血栓症を引き起こします。ニコチンには血管を収縮させる作用があり、心筋梗塞を起こしやすくなります。またたばこには、活性酸素も含まれており、血管を障害し、動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気が起きやすくなります。

(2017年7月2日 中日新聞)
(吉村 やすのり)

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