ふるさと納税

 ふるさと納税の寄付獲得を狙った自治体間の返礼品競争が止まりません。2016年度の寄付総額は、前年度の1.7倍となる2,844億円に増えました。高所得者ほど多く返礼品がもらえるため、富裕層減税との批判も高まっています。また、都市と地方の軋轢も表面化しています。都市部は地方自治体に税収を奪われると反発しています。ふるさと納税による減収額は、東京23区で2016年度129億円、2017年度207億円にも達する見込みです。
 ふるさと納税は、寄付額のうち2千円を超える分が住民税や所得税から引かれ、高所得者ほど多く寄付することができ、その分たくさんの返礼品が2千円の自己負担でもらえる事実上の節税対策になっています。返礼品はどんどん豪華になり、寄付額に対する返礼品の割合は全国平均で38.4%に達しています。6割を超えたところもあり、寄付の多くが公的サービスではなく、自治体が返礼品を買い上げる費用にあてられるようになっています。

(2017年7月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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