めまいとは

めまいとは、本当は動いていないのに、自分や周囲が動いているように感じる状態をいいます。人の体は耳と目、関節、筋肉で感じ取った周囲の情報を、小脳が調整することでバランスを保っています。これら器官に問題が起きると、バランスが乱れてめまいが起こります。めまいには、主に3つのタイプがあります。自分や周囲がぐるぐる回っていると感じる回転性めまい、体がふわふわするか、フラフラする浮動性めまい、急に立ち上がった時にクラっとする立ちくらみです。
最も症状を訴える人が多いのが、回転性めまいです。主な原因は耳の病気で、内耳の異常が引き起こす良性発作性頭位めまい症です。上や下を向いたり、寝返りを打ったりして頭を特定の方向に動かすと、数秒~数十秒、激しい回転性のめまいが襲うものです。内耳には体のバランス感覚をつかさどる耳石器と三半規管があります。耳石器には炭酸カルシウムの細かい結晶耳石がたくさん付着していますが、はがれた耳石が、三半規管内に移動し、ある程度の塊になって内リンパ液の流れを乱すめまいが起こります。骨密度が低くなる更年期以降の女性に多くみられます。
激しいめまいが長期にわたり繰り返し起こるなら、メニエール病が疑われます。1回あたりの持続時間は10分~半日、頻度は週に数回~年に数回と個人差があります。難聴や耳鳴り、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。メニエール病は、内耳で内リンパ液が増えて水ぶくれ状態になり、三半規管や蝸牛を圧迫することで症状が出ます。

浮動性めまいは過労や睡眠不足、ストレスによる心身の不調時に現れやすくなります。また、立ちくらみの原因は、自律神経の乱れ、脳が一時的に血流不足になることによって起こります。

(2018年8月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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