わが国における新型コロナウイルスワクチン接種

7月29日の時点で、2回接種が完了したのは国内で3,514万人と、全人口の27%に達しています。米国の5割や英国の6割弱などに比べて低率です。とくに64歳以下の遅れが目立ち、2回を完了したのが920万人ほどで、その世代の人口の1割にとどまっています。少なくとも1回目を打った人も1,844万人程度で、3~4週間の接種間隔を踏まえると、8月下旬でも2回完了するのは約2割と推計できます。
政府はワクチン接種を巡り、重症化しやすい高齢者を先行させ、その希望者に対して7月末までの完了を目指してきました。2回を完了したのは2,594万人と73%に達し、高齢者の接種割合は米欧に追いついています。都内の新規感染者に占める高齢者の比率は、2~3%まで低下し、ワクチンの効果は出ています。
しかし、7月以降の第5波は、感染拡大の中心が50歳代以下の現役世代に移っています。新型コロナウイルスの過去最大の感染拡大局面で、現役世代へのワクチン接種の加速がより欠かせなくなってきています。重症者の中心は、高齢者から40~50歳代にシフトしています。

(2021年7月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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