わが国の将来推計人口

 国立社会保障・人口問題研究所は、4月に将来推計人口を発表しています。前回推計(2012年)と比べて、人口減少と高齢化の進行度合いは緩和しています。2015年合計特殊出生率は1.45であり、出生率は上昇基調にあります。しかし、深刻な状況に変わりありません。人口は2053年には1億人を割り、2065年には8,808万人に落ち込むとされています。平均年齢は、2015年の464歳が、2030年には50歳になります。日本は、恐らく人類史上初めて平均年齢が50歳を超える国になります。その後も上昇は続き、2057年に53歳に達した後、そのまま高止まりします。
 日本は1967年に人口1億人を突破しました。当時の日本の平均年齢は30歳強であり、人口規模は同じでも、平均年齢はおよそ1世代分の開きがあります。50年後に人口1億人を維持するには、2020年に出生率1.80を実現し、2030年に2.07まで改善しなければなりません。出生率が1.80を最後に超えたのは1984年のことです。未婚化・晩婚化が進むなど生活環境の変化は著しく、出生率が微増しているとはいえ、3年後に1.80に回復する道筋は見えません。

(2017年5月2日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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