わが国の若年者の出生数と中絶数

日本における中絶選択率は、全体では15%であり、20歳未満では、61%と高くなっています。多くの国では、性的同意年齢は16~18歳に設定されていますが、日本の刑法における性的同意年齢は13歳となっています。しかしながら、日本では、性交や中絶について中学校では扱わないことになっており、矛盾が生じています。15歳以下、中学生以下の中絶数は665件であり、中絶選択率は82.5%となっています。
各種避妊法を100人の女性が使用1年で何人妊娠するかを表すパール指数でみると、避妊しなかった場合は85人、コンドーム2~18人、ピル0.29人、腟外射精などの性交中絶法は4~22人、不妊手術(女性)は0.5人、不妊手術(男性)は0.1~0.15人です。一方、日本女性の避妊法は、コンドームが約80%で最多であり、腟外射精が約20%で続きます。日本においては、ピルなどの避妊効果の高い方法が選択されておらず、年齢に即した避妊選択がみられない、避妊実行率が低いといった適切で確実な避妊が行われていない状況です。

(令和2年6月1日 日本産婦人科医会報)
(吉村 やすのり)

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