アメリカ生殖医学会(ASRM)のPGT-A(着床前遺伝子スクリーニング)に対する現時点での考え方

全てのIVF-ET患者に対するPGT-Aの有用性については結論が得られていないとしています。しかしながら、PGT-AはeSETによる妊娠率や生産率を向上させ、多胎の発生を低下させるとの報告がみられます。また38~41歳の高齢女性に対し、PGT-Aの有用性に関するRCTにおいては、対照群に比し移植あたりの妊娠率のみならず患者あたりの出産率も有意に高いといされています。さらに1人の子どもを獲得するまでの必要な胚移植回数も少なく、妊娠までの期間も短縮しているといったデータも出されています。
今後も、経済性、妊娠までの期間、習慣流産、反復ART不成功例、高齢女性に対するPGT-Aの有用性に関するさらなる科学的検証が必要であるとしています。わが国では、日本産科婦人科学会主導で実例しているPGT-Aの特別臨床研究の結果が待たれます。

(Fertility and Sterility, 2018-03-01, Volume 109, Issue 3, Pages 429-436)
(吉村 やすのり)

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