インフルエンザとの同時流行に備えて

今冬は、新型コロナウイルスとインフルエンザが同時流行するかもしれないと心配されています。新型コロナもインフルエンザも感染初期は、発熱や咳など、症状が似ており、日本を含む複数の国で、同時感染した人の例が報告されています。世界において、インフルエンザの患者は激減しています。各国で3密回避など個人の感染予防行動が広まったほか、国内の移動や、海外からの渡航者の減少が原因として考えられています。特定のウイルスが流行するとそのウイルスの免疫がつき、他のウイルスが増えにくくなるウイルス干渉という現象が起きた可能性も否定できません。
インフルエンザのウイルスは、シアル酸という受容体にくっつきます。この受容体は鼻や喉に多くあり、肺には少ないとされています。このため、ウイルスが直接肺を攻撃するウイルス性肺炎は、あまり起こりません。インフルエンザの患者が肺炎になり重症化するのは、インフル感染後に感染した細菌による肺炎です。
一方、コロナウイルスの受容体であるACE2は、鼻や喉だけでなく、肺にも多く存在します。そのため、コロナに感染すると、ウイルス性肺炎が起きる原因となります。息切れや呼吸困難といった症状がある場合は、コロナに感染している可能性を考える必要があります。いずれも初期症状が似ているため、国は検査体制を拡充して対応する必要があります。

(2020年10月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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