インフルエンザ薬の服用

今年は、過去20年で2番目に早くインフルエンザが流行し始めています。インフルエンザ治療薬は数種類あり、のみ方も違います。タミフルは1日2回、5日間のむ必要がありますが、ゾフルーザは1回のめば済みます。厚生労働省の資料によれば、前回の流行期にはインフルエンザ患者の4割にあたる推定約427万人に使われました。ところが、この薬が効きにくい耐性がウイルス現れています。日本感染症学会と日本小児科学会は、抗インフル薬の使い方について話し合い、10月にそれぞれ提言や指針を発表しています。
ゾフルーザは使われ始めたばかりで、科学的データが少なく、①12歳以上は推奨・非推奨は決められない、②12歳未満は慎重に投与を検討する、③免疫が落ちている人や重症患者には単独での積極的な投与は推奨しない、と多くは現場の医師の判断に任せる形になっています。
ゾフルーザは、効果や安全性を確かめる臨床試験の段階で、耐性ウイルスが12歳未満の患者の23.4%、12歳以上の9.7%に見つかっています。そもそもインフルエンザは自然に治る病気です。しかし、5歳未満の子や65歳以上の高齢者、妊婦、慢性肺疾患や糖尿病などの持病がある人は重症化する可能性があり、薬が必要とされています。

(2019年11月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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