ウェルシュ菌食中毒

 ウェルシュ菌は人や動物の腸管内や土壌、下水などに存在しています。肉や魚、野菜などの食材にも付着し、体内に大量に取り込まれると、食中毒を引き起こす場合があります。ウェルシュ菌による食中毒が起きやすいのは、カレーやシチューなどとろみのある料理を大鍋で作った時だそうです。ウェルシュ菌の中には、芽胞という殻のような状態になるものがあり、熱に強い芽胞は、100度で60分間熱しても死滅しないとされています。そのため、調理の際に煮沸してもウェルシュ菌が残り、その後増殖して食中毒を引き起こす可能性があります。
 厚生労働省へ報告があった2016年のウェルシュ菌による食中毒は31件で、患者数は計1,411人にのぼります。ウェルシュ菌による食中毒の症状は、腹痛や下痢などで、ほとんどの場合、発症後12日で回復します。しかし、病気などで免疫力が低下していると、まれに重症化することもあります。一番の予防法は、調理後すぐに食べることです。ポイントは、一度に作りすぎないことです。

(2017年4月11日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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