オンライン授業の問題点

朝日新聞と河合塾の「ひらく日本の大学」緊急調査によれば、7月上旬時点で全授業の何割がオンラインにしているかという問いの回答では、80%以上をオンライン化している大学が7割に上っています。コロナ禍で講義の大半はオンラインで、学生はキャンパスには通えない状況が続いています。現在の状態ではほとんど通信教育と変わりません。
多くの大学は、感染拡大防止の観点から対面授業を再開できない状況です。文部科学省が新型コロナウイルスへの感染を確認した大学生・短大生らは、8月2日までに690人で、うち7月以降が532人と急増しています。大学生が絡むクラスターも各地で確認されています。学生の行動範囲の広さも対面再開のハードルになっています。都市部の大規模大学には、県をまたいで公共交通機関で通う学生が多くなっています。
ネット上では対面授業を求める声が渦巻いています。多くの大学は感染者の発生を恐れて再開できずにいます。大学だけが完全にキャンパスを閉じているのは問題です。今後はオンラインと対面のハイブリッドの授業を考えるべきです。孤立している学生の把握とメンタルケアの対応も大切です。学科によっては、実習などで対面でなければ研かれないスキルもあります。大学だけが対面授業を再開しない状況は許されるものではありません。

 

(2020年8月5日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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