ゲノム編集による妊娠・出産

ヒト受精卵のゲノム編集により、遺伝子改変した受精卵の妊娠・出産例が中国で報道されています。この改変の目的は、エイズウイルス(HIV)が細胞に侵入する入り口となるたんぱく質の働きを遺伝子操作で抑えることで、エイズ感染を防ぐ狙いとされています。男性がHIVに感染している不妊治療中の7組が実験に参加、1組が妊娠・出産したとしています。
実際生まれた子どもが、HIVに感染しているかどうかは不明です。受精卵にゲノム編集を施せば、遺伝病の防止などに役立つ可能性がありますが、ゲノム編集で改変した遺伝子は子孫に伝わる恐れがあり、受精卵のゲノム編集を法律で禁じる国が多くなっています。日本では基礎研究を認め、臨床応用は禁止する方針です。

(2018年11月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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