ゲーム障害

世界保健機関(WHO)は、オンラインゲームなどにはまり、他のことが手に付かなくなる「ゲーム障害」を精神神経系の病気の一つに位置づけています。WHOは、今年6月に発表した新しい国際疾病分類ⅠCD-11にギャンブル障害と並ぶ形でゲーム障害を入れています。①ゲームをする時間や頻度を制御できない、②ゲームが他の関心事や行動に優先する、③問題が起きても続ける、④個人、家庭、学業、仕事などに重大な支障が出ているの4つが、12カ月以上続く場合にゲーム障害とみなしています。
ゲーム障害により、脳の構造や働き方に異常が出ないのかという研究が始められています。衝動の制御を担う脳の前頭前野と呼ばれる部分の機能低下と、ゲーム障害になるリスクとのかかわりが明らかになってきています。ただ、脳の状態からゲーム障害かどうかを判定できるほどには関係性を解明できていません。ゲーム障害が疑われる場合、まず米国の精神科医が1990年代に考案したインターネット依存度テストを実施します。治療の際は患者をゲームから遠ざけ、運動、食事、会話、カウンセリングなどを組み合わせます。イライラが激しく暴力を振るう患者などは、入院が必要となります。

(2018年11月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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