コロナによる最低賃金の足踏み

コロナの感染拡大で、2020年度の最低賃金は足踏みしそうです。最低賃金は企業が最低限支払う賃金水準を法律で義務付けるものです。デフレ脱却を目指す安倍政権は、2015年に年3%程度引き上げ、全国平均で1,000円を目指し、これまでは毎年、高い引き上げを実現してきました。しかし、今回のコロナ禍で中小企業の経営が悪化し、引き上げは凍結される企業が増えています。
3月から4月にかけ、休業者数は243万人増え、過去最大になり、非正規雇用者数は131万人減りました。5月もさらに雇用環境が悪化しています。コロナ危機で景気の悪化基調は鮮明となっており、厚生労働省内には最低賃金の論議でさらに打撃を与えるのは望ましくないとの見方が出始めています。

 

(2020年6月5日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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