コロナ下でのがん検診の減少

新型コロナウイルスの感染拡大がおさまらず、コロナ以外の一般医療への影響が長引いています。国内の死因で最も多いがんで、2020年度に検診を受けた人は約2割減っています。治療を受ける人も減少傾向にあります。コロナ禍に伴う検診・受診控えは、中長期的にはがんの進行や死亡の増加につながる恐れがあります。
自治体が実施する住民検診は、無料で受けられるケースが多く、国は胃がんや子宮頸がん、肺がん、乳がん、大腸がんの5種類で推奨しています。住民がん検診を中心に受診者は、2020年度は前年度比18.6%減っています。
2020年には37万人以上ががんで亡くなっています。厚生労働省が7月末に公表した推計によれば、65歳の人でコロナが死因になる確率は0.2%台です。がんが死因になる可能性は、男性で28%、女性で18%です。がんは国内の死因で最多で、受診控えや治療遅れによる影響は深刻です。厚生労働省は、緊急事態宣言下のがん検診は不要不急の外出にあたらないとの見解を示し、感染防止策を講じた上で着実に検診を実施するよう呼び掛けています。

(2021年8月6日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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