コロナ感染妊婦を救うためには

英国公衆衛生庁は、5月に感染した妊婦は集中治療室(ICU)に入院するリスクが高く、早産が2~3倍多くなることを発表しています。厚生労働研究班が国内で感染した妊婦144人を調べた研究でも、妊娠25週以降、妊娠糖尿病がある、30歳以上、などの要因で重症化リスクが上がる傾向が確認されています。
第5波では急変する妊婦が増えています。地域ごとに急変した妊婦の受け入れ病院を再確認する必要があります。この感染妊婦の対応策を考えるのは、日本産科婦人科学会を中心とした学会の役割だと思います。以前のH1N1新型インフルエンザの時や全国の妊婦の受け入れ不可の問題が起きた際にも、学会は厚生労働省と協力して地域ごとの受け入れ態勢の整備を確立してきました。
日本では、高度な医療を提供する総合周産期母子医療センターなどと一般の診療所が連携する周産期医療のネットワークが地域ごとにできています。早産の場合は新生児医療も必要になります。各地域で妊娠週数などに応じた受け入れ病院を事前に決めておく必要があります。現在の感染状況であれば、総合や地域周産期センターが感染妊婦を受け入れることができれば、対応可能であると思われます。ただ、感染拡大が続けば、病床が足りなくなる恐れが出てきます。このためワクチン接種を検討することが大切になります。
米国で接種した妊婦3万5千人への調査で、発熱や倦怠感などの副反応の頻度は妊娠していない女性と同程度でした。米国で接種後に妊娠した約800人への調査でも、流産や早産、新生児死亡などの確率は、未接種の妊婦と変わりません。妊婦の感染は8割が夫やパートナーからの感染です。夫らも、是非接種すべきです。

(2021年8月30日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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