コロナ感染者の年代別比率と感染率

日本の感染再拡大のペースは、世界的には依然として緩やかです。8月4~10日の人口10万人あたりの新規感染者数は約7人にとどまっています。100人以上が感染するブラジルや米国のおよそ20分の1の水準です。

第1波となった今春は、医療崩壊につながりかねない重症患者が急増しました。5月初旬には患者全体に占める重症患者の比率が5%台に達しました。一方、感染再拡大が始まった7月以降の1カ月間の重症患者比率は、1%台にとどまっています。

重症化しにくい若者の感染者が増えたことが理由の一つです。第1波では3割強だった20~30代の割合は、6月下旬以降に6割近くまで上昇しました。これに対して、60代以上の割合は3割強から1割まで減っています。しかし、8月に入ってから、重症患者の数がじわりと増え始めています。東京都の重症患者は20人前後であまり増えていませんが、全国ベースでは80人から200人近くまで約2倍に増えています。地方都市での増加が目立つようになりました。さらに、若者中心の感染が高齢者を巻き込んだものになると、重症患者や死者が増える恐れが出てきます。

(2020年8月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。