コロナ禍でのいじめの減少

文部科学省の問題行動・不登校調査によれば、2020年度のいじめの認知件数が、前年度比で約10万件減の51万7,163件でした。新型コロナウイルス禍で子ども同士の接触機会が減ったことが要因とみられています。一方、ネット上のいじめは過去最多を更新しています。
全国の小中高校などで認知されたいじめの件数は、2014年度以降、増加傾向が続いていましたが、2020年度は大幅な減少に転じています。学校種別にみると、小学校は前年度比13.1%減の42万897件でした。中学校は8万877件、高校は1万3,126件で、それぞれ前回から24.1%、28.5%減っています。
いじめ全体の認知件数が減る中で、パソコンや携帯電話での誹謗中傷など、いわゆるネットいじめは増加の一途をたどっています。2020年度は1万8,870件で、2006年度の調査開始以来、過去最多を更新しています。増加幅は特に小学校で大きくなっています。
背景には、コロナ禍による巣ごもりで、ネットの使用時間が急増したことが関係しています。調査によれば、10代の平日のインターネット利用時間は平均約224分で、コロナ前の前年度から1時間程度増えています。SNSの匿名アカウントなどを使ったネットいじめは、教員や親の目が届きにくく、対面・ネット両方で見守りの強化が必要になります。

(2021年10月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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