コロナ禍での中学生のストレス度の変化

北海道大学大学院教育学研究科准教授らの調査によれば、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために行われた学校の臨時休校は、勉強や学校が楽しい子にはストレスだったとの可能性が指摘されています。学校にうまく適応できていない子のストレスは逆に下がる傾向もみられ、子どもによって休校の受け止め方が異なっています。新学期には、学年の中でストレスが上昇する傾向がありますが、中2の1学期のストレスは、明らかに昨年度より今年度の方が高く、休校の影響と考えられました。
どんな生徒に影響があったかを調べるため、勉強自体が面白いといった指標を使い、学習モチベーションの高さで2つにグループ分けして比べています。モチベーションが高い子は、中2、中3ともに、抑うつ・不安、無気力のストレスがいずれも上がっていました。低い子では、中3の抑うつ・不安が微増した以外は、かえって下がっていました。さらに学校に行くのが楽しみだといった指標により、学校への適応度が高い子は、中2、中3ともに、2つのストレスが上がっていました。適応度が低い子では、中3の抑うつ・不安は変わらず、中2の無気力は上がり、それら以外のストレスは下がっていました。勉強や学校が楽しいと感じる子とそうでない子で、ストレスは逆に動いています。個人差に対応したケアが必要となります。

(2020年9月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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