コロナ禍での児童生徒の自殺の増加

コロナ禍の2020年に、自ら命を絶った児童生徒は500人近くに上り、過去最多となっています。2019年と比べて4割以上増え、コロナ禍が子どもたちにも深刻な影響を与えていることがうかがえます。厚生労働省の統計をもとに文部科学省が分析した結果、2020年の児童生徒の自殺は479人です。小中高校生のいずれも、2019年より増え、女子高生は138人と倍増しています。
自殺者には山が2つあります。6月と8月はコロナ下での長期休校が明けた時期です。昨年6月は、都市部を中心に続いた長期休校が明けた時期で、自殺者は45人です。8月は、授業の遅れを取り戻すため、多くの学校が短縮した夏休みが明けた時期で、自殺者は64人に上っています。いずれも前年同月の倍以上でした。
原因別にみると、学業不振が52人や進路に関する悩みが55人と前年同様に多かったのですが、うつ病による悩み・影響が33人、その他の精神疾患による悩み・影響が40人と、前年比で大幅に増えています。コロナ禍で大人も難しい状況にある中、子どもが悩んだり弱ったりするのは当然です。特に家庭環境が脆弱な子や発達障害の傾向のある子らに、平常時以上の負荷がかかっていると思われます。

(2021年3月7日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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