コロナ禍での国税の減少

2019年度の一般会計の国の税収は、58兆4,415億円で3年ぶりに減少しました。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気減速がみられ、2020年度は大規模な経済対策によって収入・支出の両面で財政状況が一段と悪化すると思われます。税収減の最も大きな要因は法人税で、前年度から1.5兆円少ない10兆7,971億円となりました。所得税も19兆1,707億円と、0.7兆円減りました。新型コロナに伴う緊急経済対策に税金の支払い猶予が盛り込まれ、2019年度の税収では約450億円の減収要因になりました。さらに消費税は2019年10月に税率が105に引き上げられましたが、税収は想定ほど増えていません。
4月から始まった2020年度の税収も、2019年度を下回る公算が大きくなっています。一方、支出は大きく膨らんでいます。相次ぐ経済対策で、政府の2020年度の一般会計の支出は、第2次補正予算までに160兆円を超えました。国の新たな借金となる新規国債の発行額は90兆1,589億円で、過去最大だった2009年度の51兆9,550億円より約7割多くなっています。高齢化による社会保障費の増加などで、国債の発行残高は2020年度末に964兆円に増える見通しです。

(2020年7月4日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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