コロナ禍での外食産業の倒産の増加

外食業界では、新型コロナウイルスの影響による倒産が相次いでいます。損益分岐点比率が9割程度の企業が多く、売り上げの減少が業績悪化につながりやすくなっています。帝国データバンクによれば、外食の2020年1~8月の倒産件数538件に達しています。コロナ関連の倒産では、80件で外食が最も多くなっています。感染への懸念から外食を控える動きは根強く、在宅勤務の定着でランチや宴会需要は減少しています。客足がコロナ前水準に回復するには時間がかかります。

日本フードサービス協会によれば、国内の外食売上高は3月から8月まで前年同月比の15~40%減が続いています。コロワイドやワタミ、吉野家ホールディングスなど主要100社では、既に1千店超の閉店が決まっています。すかいらーくホールディングスは新規出店を凍結し、深夜営業をやめました。新型コロナの収束が見通せず、今後も外食離れへの懸念は残ります。宅配や持ち帰りへの対応で手元資金を確保する動きは広がっていますが、酒類の売り上げが大きい居酒屋などは減収分を補うのは難しくなっています。

(2020年9月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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