コロナ禍での航空業界

新型コロナウイルスの感染拡大で、世界の航空業界が変革期を迎えています。各社とも大幅な減便を余儀なくされ、苦しい経営が続いています。苦しい状況はしばらく続くとみられます。世界の航空会社でつくる国際航空運送協会(IATA)は、世界の航空需要がコロナ禍前の水準に戻るのは早くても2024年になると見込んでいます。
航空業界はもともと、感染症やテロ、政治情勢などで経営が大きく揺さぶられやすい状況にあります。2001年の米国の同時多発テロや、2009年の新型インフルエンザの流行でも、急激な需要の変化に悩まされました。加えて、LCCが相次いで参入し、競争環境が激化していたという事情もあります。もっとも、新型コロナの影響は、経営体力の弱いLCCにとってより深刻です。

 

復活へのカギを握るとみられるのが貨物輸送です。IATAによれば、航空貨物の売り上げは、2019年に1,024億ドル(約10兆6,000億円)でしたが、新型コロナの感染拡大後も増えており、2021年に1,398億ドルに達する見込みです。人の流れは止まっても、ネット通販の広がりなどで貨物の輸送需要は急回復しています。

(2020年12月18日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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