コロナ禍での超過死亡なし

コロナ禍で欧米では死亡数が平年を上回る超過死亡が生じていますが、日本は11年ぶりに減少しています。死亡数は高齢化で年2万人程度増えていましたが、平年より3万人近く減少した形です。
厚生労働省が公表済みの2020年10月までの死因別の死亡数によると、最も減少したのは、新型コロナ以外の肺炎で前年同期比で2割弱、約1万4千人減っています。新型コロナ対応で受け入れ病院が見つからない救急患者は増えたとされています。しかし、死亡数では、2019年に比べ脳卒中が約3,200人、急性心筋梗塞が約1,300人減少し、影響は少なかったようです。
確認された感染者に対する死亡率は、世界全体で4~5月に7%を超えています。2月末時点での最多は米国で約50万人に達しています。ロシアの超過死亡は推計約35万人で、同じ時点で確認された新型コロナの死亡数約8万人の4倍超です。台湾は5,600人減少するなど、感染者が少なかった東アジアの死亡数は平年を下回っています。
死亡率は年代差が大きくなっています。日本では70代以上が感染者の1割強ですが、死亡者は9割を占めています。死亡率は10代以下はゼロ、50代以下は1%未満に対し、60代は1.6%、70代は5.4%、80代は12.5%、90代以上が18.3%となっています。

(2021年3月29日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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