コロナ禍におけるインバウンドの激減

海外との往来がコロナ禍で途絶え、訪日外国人客(インバウンド)による消費が激減しています。りそな総合研究所の発表によれば、今年2~12月の消費減は、推計で計4兆円超と国内の旅行消費額の1割強にあたります。都道府県別にみると、上位5位までの減少額が全体の6割を占めており、地域的な影響の偏りは大きくなっています。東京や大阪といった大都市部に影響が集中しています。
業種別では、物販の1兆4,423億円が、宿泊の1兆1,816億円を上回っています。訪日客の急増を当て込んで開発ラッシュが続いてきたホテルや民泊施設よりも、買い物が減った百貨店やドラッグストアなどの方が合計金額ではより大きな影響を受けています。
訪日客は、第2次安倍政権が発足した2012年以降、円安やビザ要件の緩和などで急増しました。2019年は、2012年比で約3.8倍の約3,188万人に達していました。今年は東京五輪でさらなる増加が当然視されていましたが、4月以降は前年同月比で99%以上の減少が続いています。

(2020年10月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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