コロナ禍における妊婦の不安尺度-Ⅱ

里帰り分娩
COVID-19流行下の里帰り分娩については、妊婦では里帰り分娩を希望していたうちの約30%が里帰り分娩を断念していました。里帰り分娩を希望していたにもかかわらず断念した群では、精神的不安の尺度が有意に強いことが示されています。里帰り分娩を断念した妊婦は、里帰り分娩を予定している妊婦よりEPDS、K6とも陽性が約1.7倍有意になっています。
平時よりコロナ禍の妊婦では、うつ病発症のリスクが高い可能性が示されました。妊産婦のスクリーニングスコアが高い要因として、高流行地域に居住していることと、里帰り分娩の断念が有意な要因であると考えられます。里帰り分娩は、日本の出産の文化であり、その風習が制限され期待していた家族からの十分なサポートが得られない妊産婦ほど強いストレスを受けている可能性があります。

(2021年9月1日 月刊母子保健)
(吉村 やすのり)

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