コロナ禍の病院経営悪化

新型コロナウイルスの感染拡大は、医療機関の経営に深刻な影響を与えました。院内感染への警戒から受診が落ち込んだほか、手術を一部休止するなどした結果、収入が急減しています。大学病院だけで年5千億円の減収との試算もあります。厚生労働省は、医療機関の経営が厳しくなったことを受け、2020年度の第2次補正予算で医療機関が受け取る診療報酬の前払いを盛り込んでいます。独立行政法人の福祉医療機構は、新型コロナウイルス患者に対応していない医療機関でも、病院で1億円まで、診療所で4千万円まで5年間無利子で融資します。
予算では、1.6兆円規模の都道府県向けの交付金も用意しています。新型コロナ患者だけを受け入れる病棟を持つ病院が、空床を維持したり、病床を休止したりした場合の収入減を補填します。院内感染を防ぐための消毒などにかかる経費も補助します。実際に新型コロナの重症患者を治療した場合、診療報酬を3倍にする対応もとっています。新型コロナ患者を受け入れるほど、経営が悪くなる状況の是正につなげています。

(2020年6月23日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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