ジストニアとは

ジストニアとは、中枢神経系の障害による不随意で持続的な筋収縮にかかれる運動障害をいいます。つまり筋肉や骨自体に異常がないのに、脳の働きに何らかの異常が起き、全身や体の一部がねじれたり固まったりして思い通りに動かなくなる病気です。ジストニアには様々なタイプがあります。スポーツ選手や音楽家などがなる場合を、動作特異性ジストニアといいます。幼い頃から長い間、競技や演奏で特定の動作を繰り返すうちに、何らかの原因で思い通りに筋肉が動かせなくなってしまいます。ゴルフのイップスも、一部にはジストニアが原因とみられています。
トップレベルの選手や演奏家ほど、長年細かい動作を繰り返します。そのためやればやるほど症状が悪化する場合があります。症状の一つが目が開けていられない眼瞼痙攣、首が曲がる痙性斜頸などがあります。この治療には、筋肉の一部を麻痺させるボツリヌス注射や手術をすることがあります。体の複数の部位に症状が出る場合は飲み薬で治療します。全国に2万人ほどいると言われていますが、病気の認知度が低いことが問題です。周囲の理解が得られず、自ら落ち込んだり悩んでしまうこともあります。

(2018年8月31日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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