スポーツ中の死亡・重大事故

スポーツ中の頭部への衝撃には注意が必要です。児童・生徒向けの災害共済給付を手掛ける日本スポーツ振興センターの調査によれば、2020年度までの20年間で小中高校での体育中の死亡・重大事故のうち、頭部外傷は全体の1割強で、6分類のうち3番目に多くなっています。
アスリートの脳振盪の重症化を防ぐため、スポーツ界を中心に取り組みが広がっています。頭部への衝撃のリスクを見逃すなどすれば慢性的な頭痛やめまいなどの恐れもあり、選手生命に影響しかねません。脳震盪は首から上部に衝撃が加わることで脳が揺さぶられ、機能が一時的に低下します。意識の消失や記憶障害のほか、頭痛やめまいなどを引き起こします。一般的に数週間で回復しますが、症状が長引くケースもあるほか、脳震盪を繰り返すと症状が重くなったり、回復までに時間がかかったりすることもあります。
一方、全体の過半数を占めるのは心不全などの突然死です。自動体外式除細動器(AED)の普及促進や使い方などの講習により、件数自体は減少傾向にあります。一時的に心肺停止の状態となったとしても、救急隊が駆けつけるまでに蘇生できれば生存率が上がります。いざという時にAEDや心臓マッサージなどに役立てることが大切です。

(2022年5月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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