セルフメディケーション税制とは

 セルフメディケーション(自主服薬)税制とは、市販薬を購入すると税控除できる制度のことをいいます。患者が市販薬を使うことにより、通院などを減らして国の医療費を抑える狙いで1月に始まりましたが、まだ認知度が低いままです。対象品目が市販薬の一部にとどまっていることも一因です。実際に税制の対象となる医薬品は、解熱鎮痛薬や風邪薬などの主力ブランドは含まれるものの1万品目以上とされる市販薬のうち約1600品目のみです。
 新税制の対象となる薬の購入額が年間で5万円だと、38千円が所得控除の対象となり、課税所得額が400万円ならば、確定申告で11,400円戻ってくる計算になります。このほか通院や入院の費用も合わせた医療費の合計が15万円ならば、10万円を超えた5万円が医療費控除の対象となります。還付額は15千円となり、医療費控除の方が得になります。医療費合計が同じ15万円でも新税制対象の医薬品代が7万円ならば、所得控除の対象は58千円で医療費控除の5万円を上回ることになります。還付額は17,400円となるため、新税制を適用した方が良くなります。新税制の適用は、会社の定期健康診断などを受けていることが条件で、所得控除の上限額は88千円など制限もあります。

(2017年9月4日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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