ダイレクトリプログラミング

体内に特定の遺伝子などを入れて病気になった臓器や細胞を正常に戻す新しい再生医療の研究が進んでいます。これは、ダイレクトリプログラミングと呼ばれる技術です。ダイレクトリプログラミングとは、体の外から細胞に遺伝子などを導入して、ほかの種類の細胞に直接転換する技術です。再生医療の一つで、治療に使う細胞を体内で作って病気の克服を狙うものです。遺伝子を導入するだけなので、iPS細胞などを使う場合に比べて準備期間やコストを抑えられる可能性があります。
ダイレクトリプログラミングは、臨床応用が進むiPS細胞や胚性幹細胞(ES細胞)に続く新しい再生医療として期待されています。従来から基礎研究が進んでいましたが、細胞をほかの細胞に変える遺伝子や化合物が次々と見つかったほか、遺伝子を安全で効果的に導入する技術も開発されています。移植しないため培養に時間や手間がかからず安価で、拒絶反応が起きにくいなどの安全性も高いとされています。しかし、実用化では遺伝子導入に使うベクターなどの安全性が課題になります。

(2018年10月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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