データエコノミーとは

データエコノミーとは、人の行動や企業の活動が生み出すデータを競争力向上に生かす新たな経済を指しています。人工知能(AI)やビッグデータ解析の実用化が進み、広告や商品開発にデータを取り入れる動きが活発になっています。街づくりから災害対策、選挙、日常の生活にまでデータ分析を活用するケースが広がり、社会に及ぼす影響が大きくなっています。電子情報技術産業協会によれば、2030年にはあらゆるものがネットにつながるIoT関連市場が、世界で404兆円と現在の2倍強に膨らむと予想されています。
しかし、個人データの活用を巡っては、各国で温度差もあります。ドイツの調査会社GfKの調査によれば、便益のために個人情報を提供すると答えた人の割合は中国が最多で全体の4割に上っています。最も慎重だったのが日本で、情報流用などに対し警戒感は強くなっています。豊かさの向こう側にあるリスクに気づいた個人も巻き込み、データエコノミーのあり方が今後の課題です。今まさに利便性を取るか、私を守るかが問われています。

 

(2018年7月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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