ドライアイの新基準

ドライアイは、涙の質や分泌量が低下することで、目の表面の健康が保てなくなる病気です。加齢やパソコンの長時間利用、コンタクトレンズなどが原因です。症状は目の疲れや乾燥のほかにも、目やにの増加や痛みなどが出ることもあります。オフィスで働く3人に1人がドライアイに悩まされているといわれています。
ドライアイ研究会は2016年に診断基準を改定しています。自覚症状に加え、検査で瞳の表面を覆う涙の膜が5秒以内に乱れることが基準になっています。涙の膜は外側から油層、液層、ムチンという要素からなります。旧基準でドライアイと診断されるには、角膜上皮細胞が露出したような状態になる必要がありました。しかし、新基準では、傷などの炎症や涙の量は基準に含まれません。
市販の点眼薬には治療に有効な成分が必ずしも含まれていません。病院で受けられる治療は、点眼薬と涙点プラグという2つの手法が現在の主流です。最近は点眼薬の種類が増え、原因に応じて使い分けられるようになっています。涙点プラグはシリコンなどで涙の出口をふさいで涙を目にとどめておくものです。

 

(2018年7月16日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。