ドラッグリポジショニング

ドラッグリポジショニングとは、既存薬を別の病気の治療に利用することをいいます。希少疾患の臨床試験(治験)を目指す動きが相次いでいます。京都大学は全身の筋肉が衰えるALS(筋萎縮性側索硬化症)で医師主導治験を2019年にも始めます。東京医科歯科大学は小児などの希少疾患で医師主導治験の18年度開始を目指します。既存薬は副作用や製法が知られており、創薬にかかる時間やコストを抑えられます。
創薬では一般に、病態を解明し、病気に関係する物質を抑える化合物を探索します。効果や安全性を確かめる必要があります。1つの新薬を生み出すには、1,000億円以上の費用と10年以上の期間がかかるといわれています。ドラッグリポジショニングは既存薬を使うため、安全性を確認できており、これらを大幅に節約できます。
既存薬は薬価が低く、企業が実用化に消極的なため、ドラッグリポジショニングで薬価を高められる制度を用意しています。一つは既存薬を適用拡大する方法です。希少疾患の効能が追記されると、既存の薬価から高い場合で5%ほど加算されます。もう一つは販売名を新しくした別の医薬品として申請する方法です。薬の構造が全く同じでも、薬価算定では新規化合物とほぼ同じように扱われます。薬価が約10倍になった例もあります。

 

(2018年11月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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