ノロウイルス感染

 ノロウイルスが、今冬猛威を振るっています。国立感染症研究所(感染研)の調査によれば、ノロウイルスなどによる感染性胃腸炎は、昨年12月までをみると最大級の流行となっています。ノロウイルスには感染を予防するワクチンやウイルスを殺す治療薬がない上、遺伝子の一部が変化した新しいウイルスが広まっていることも背景にあります。感染研の調査によると、定点医療機関での1カ所あたりの感染性胃腸炎の患者数が、2016121218日の1週間で、20.89人に達しています。
 感染すると激しい吐き気や下痢、発熱といった食中毒症状が23日続きます。ウイルスが直接の原因で死ぬことはありませんが、吐いた物が喉に詰まったり、肺に入って肺炎を起こしたりすると命に関わります。下痢などによる脱水症状も危険です。体力の無い乳幼児や高齢者がウイルスに感染、発病してさらにウイルスが広がります。ノロウイルスは口から感染するため、予防の基本は手洗いです。食事前や調理前、トイレを出た後には石鹸と流水でしっかり手を洗うことにより、感染の多くを防ぐことができます。

(2017年1月27日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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