ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン―Ⅲ

HPVワクチンの作用機序
HPVワクチンは、人体が将来HPVに感染したときにそれに結合し、細胞への感染を予防する抗体を産生します。現在使用されているHPVワクチンは、HPV外殻タンパク質によって作られるウイルス様粒子を基盤としています。このウイルス様粒子はウイルスDNAを持たないので、感染性を示しません。しかしながら、ウイルス様粒子は野生型ウイルス粒子に酷似し、抗ウイルス様粒子抗体は野生型ウイルス粒子に対する活性も示します。ウイルス様粒子は免疫原性が強いことがわかっており、体内において大量の抗体産生を誘導します。これによりHPVワクチンは高い効果を示します。

(吉村 やすのり)

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