ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン―Ⅴ

HPVワクチンの安全性
現在まで、HPVワクチンにより引き起こされる重篤な副作用はないことが示されています。最も頻度が高い問題は、接種部位における一時的な疼痛と他の局所症状です。こうした問題は他のワクチンで高頻度に認められるものと同様です。HPVワクチンは妊娠中における臨床試験が十分に実施されていないので、妊婦に対しては使用すべきではありません。
FDAと米国疾病予防管理センター(CDC)による安全性レビューによると、有害な副作用の発生率は、ガーダシルの認可前に実施された安全性試験で認められたものと合致し、また他のワクチンで認められたものと同様とされています。失神と静脈血栓塞栓症イベントは、他のワクチンで認められるものと比較して、ガーダシルで高率に認められました。しかし、血栓が形成された患者には、経口避妊薬の服用などの既往がありました。デンマークとスウェーデンで実施されたガーダシルの安全性レビューでは、血栓のリスクの増加は特定されていません。 HPVワクチンに関する最新の安全性データレビューは、これらのワクチンが安全であることを引き続き示しています。失神後の転倒は時に頭部外傷などの重篤な外傷を引き起こすことがあります。ワクチン被接種者を接種後最大15分間椅子に腰を掛けさせることにより、予防することができます。

(吉村 やすのり)

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