ブレイクスルー感染の仕組み

新型コロナウイルスの感染ワクチンを2回接種して2週間が過ぎた頃には、体内にコロナウイルスをブロックするのに十分な量の抗体ができています。しかし、ウイルスにさらされる機会がなければ、時間の経過とともに抗体量は減っていきます。抗体量がかなり少なくなると、ウイルスが体内に入った時に感染を防ぎきれず、ここでブレイクスルー感染が起きます。
しかし、抗体を作り出す細胞自体は体内に残っているため、その後、ウイルスが入ってきた刺激でその細胞が増殖し、再び抗体を生産し始めます。増殖スピードが速いデルタ株であっても、感染してから重症化するまでには1週間はかかるため、この間に抗体の再生産が間に合い、症状が軽く済むことになります。しかし、ブレイクスルー感染を起こし、その人から、重症化リスクがある未接種の人に感染を広げてしまう恐れはあります。
有効率100%のワクチンは存在せず、有効性が一生の間続く保証もありません。ブレイクスルー感染は、コロナ前から従来のどのワクチンでも起きていました。コロナでは重症化を防ぐという目的ならば、当面2回接種で足りると考えられています。しかし時間が経てば、感染自体を防ぐ効果は落ちるため、3回目の議論が出ています。

(2021年9月23日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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