プレコンセプションケアの重要性

近年は、健全な妊娠や早い時期から妊娠や出産に向けた準備や健康管理を行うプレコンセプションケアへの関心が高まっています。プレコンセプションケアの考え方は20年程前から広まっており、CDC(米国疾病予防管理センター)では2006年に、WHOでは2012年に定義や目的を定めています。世界には発展途上国なども存在しますので、母体死亡率や周産期死亡率の低下などが目標に取り組まれています。
日本の周産期医療のレベルは世界でもトップクラス、母体死亡率も周産期死亡率も既に世界の目標を達成しています。ところが、他国に比べて低出生体重児の割合がとても多いことが分かっています。赤ちゃんの出生体重も減少傾向にあり、厚生労働省の人口動態統計によると2017年に出生した子どもは、1980年代に出生した子どもより平均出生体重が180~190gも減っています。また、早産児も決して少なくありません。低出生体重児で生まれてくると、将来的に冠動脈疾患で死亡するリスクが高まることはよく知られています。
例えば、妊娠高血圧症候群になった人は、そうでない人に比べて5年後の高血圧症の発症リスクが5倍高いというデータがあります。第1子を出産した時に妊娠高血圧症候群と診断された方に、産後のフォローアップを行えば、第2子、第3子を希望された時に少しでもリスクを減らすことができます。次の妊娠に向けて高血圧症や糖尿病など妊娠合併症を起こした女性へのケアは、インターコンセプションケアと呼ばれます。

(2022年5月1日 月刊母子保健)
(吉村 やすのり)

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