ヘルパンギーナの流行

ヘルパンギーナは、夏に流行するウイルス性の感染症です。38度以上の熱が1~3日続き、口の中に水疱性の発疹ができます。発疹は喉の奥にできて、破れると激しく痛み、飲食が難しくなることもあります。感染経路は、ウイルスが付着した手が触れることで感染する接触感染とくしゃみなどによる飛沫感染があります。感染症ヘルパンギーナが流行の兆しを見せています。国立感染症研究所が7月22日までの1週間に医療機関からの報告をまとめたところ、1医療機関あたりの患者数は2.49人となり、5月中旬から11週連続で増えています。山形県では8.33人、静岡県で7.48人、新潟県で6.63人となり、国の警報基準である6人を上回っています。
ヘルパンギーナにはワクチンがなく、発症した場合は、解熱鎮痛剤などで症状を抑えながら、回復を待つ対処療法で治すしかありません。水分がとれないほど症状がひどい場合は、脱水症状になる恐れがあり、入院する必要も出てきます。予防策として最も重要なのは、石鹸を使った手洗いやうがいです。唾液や鼻水がついたおもちゃなど、子どもが触れることが多い物の消毒も有効です。便から長期間にわたりウイルスが排出されるため、交換したオムツをビニール袋などに入れ、周囲が触れることがないようにする必要があります。

(2018年8月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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