ホモサピエンスの化石

 80万年前の現生人類であるホモ・サピエンスの化石が、北アフリカのモロッコで発見されました。ホモ・サピエンスは、これまで約20万年前にアフリカ東部で出現したと考えられてきましたが、その前からアフリカ全土で徐々に進化した可能性があるとのことです。化石から復元した頭蓋骨は、顔立ちが現代人に似ている一方、脳を収める頭部の形状に、ネアンデルタール人に似た原始的な特徴が残っていました。同じ地層から見つかった石器や以前発掘された歯の年代測定の結果、約30万年前のものとみられます。
 現生人類では、エチオピアで出土した20万年前の化石がこれまで最古でした。南アフリカでは、現生人類の可能性がある26万年前の頭蓋骨片が出ています。エチオピアや南アフリカの化石も似た特徴があり、30万~20万年前にはアフリカ各地で現生人類が暮らしていたと考えられています。

(2017年6月8日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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