ポストコロナの経済活動

観戦封じ込めだけを追いかけ、経済をいつまでも休止するわけにはいきません。倒産や失業が増えれば、自殺も増えるのは周知の事実であり、経済的困窮はやはり国民の健康や命も損ねることになりかねません。米ハーバード大学倫理センターが、4月に「パンデミックに強い社会への道」と題する提言を公表しています。
まず第1段階ではエッセンシャル・ワーカーといわれる、医療従事者や食品スーパーの店員、電気・水道などライフラインを担う人、警察消防など全労働者の4割にあたる人に繰り返し各種検査を実施します。陽性者は公的な所得補償をした上で隔離し、職場には感染者がほぼおらず、安心して働ける環境を整えます。
続くフェーズ2では、日用品の生産や食堂、公共交通など、日常生活に必要な機能を提供する約3割の人に検査対象を広げます。その後は美容院など遠隔では難しいサービスにも検査範囲を拡大します。
この大量検査を軸に、マスク着用など行動変容の持続や接触追跡アプリの活用によって、感染の再爆発を招くことなく、米経済は8月には回復軌道に戻せると提言は述べています。医療目的に加え、社会の不安を取り除くためにも大量検査と隔離を活用すべきだというのが、ハーバード提言です。

(2020年5月18日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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