マミートラックとは

 子どもをもつ女性の働き方のひとつで、仕事と子育ての両立はできるものの、昇進や昇格と縁遠いキャリアコースのことをいいます。職場の男女共同参画が十分でない場合、ワーキングマザーは補助的な仕事や時短勤務を利用して働くような仕事を選ばざるを得なくなり、出世できないようなマミートラックに乗ってしまいます。こうしたマミートラックが生まれる要因の一つには、長時間労働を是とする働き方があります。
 時間のない育児中の女性に対し、上司は気遣いも込めて負担の少ない仕事を回しがちになります。長時間労働が常態化した職場では、すぐさま連絡がとれない育児中の女性に重要な仕事は任せられないという判断もありました。結果的に30歳前後の重要な時期に、キャリアを積めず管理職に昇進できないマミートラックに陥ります。まず、始めることは、長時間労働からの脱却です。在宅勤務をするためには、紙の書類を廃止してすべてクラウド化し、端末さえあればどこでも仕事ができるようにすることが必要になります。ノー残業が当たり前になるにつれ、育休から復帰した社員がフルタイムでの勤務ができるようになります。
 在宅勤務制度やフレックス勤務制度の拡充を進めることも大切です。会議は部内の全員が自宅や客先などからビデオ通話ソフトのスカイプで参加することができるようになります。生産性が一定なら、社員の労働時間が1時間減れば1時間分の収入は目減りしてしまいます。労働時間減をカバーするには、業務効率化など生産性向上の取り組みが欠かせません。

(2017年3月13日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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